【ApexLegends】FC Destory所属sigluss選手にインタビュー。Apexアナリストの仕事に迫る。

【ApexLegends】FC Destory所属sigluss選手にインタビュー。Apexアナリストの仕事に迫る。

現在ALGS Year2が開幕し、さらなる競技シーンの盛り上がりを見せているApexLegends。


2021年10月17日から12月5日までは、ALGS SPLIT1 Pro Leagueが開催されており、世界大会であるPlayoffs出場に向けて各チームによる熾烈な争いが行われています。


今回の記事では、2021年8月に新設されたチームながら、Challenger Circuitを破竹の勢いで突破し、見事プロリーグ進出を果たしたFC Destoryのアナリスト・コーチを務めるsigluss(シグルス)選手にインタビューさせていただきました。

数々のプロチームを渡り歩いたsigluss選手。

――本日はインタビューをお受けいただきありがとうございます。まずは自己紹介をお願いいたします。

sigluss:sigluss(シグルス)と申します。年齢は今年で23歳です。


去年の6月頃にアマチュアチームのアナリストとしてApexの競技シーンに参入しはじめました。


その後WaymyriadやJUPITER(現ZETA DIVISION)といったプロチームで活動しておりました。2021年6月にJupiterを脱退し、9月からは現在の所属チームであるFC Destroyのコーチ兼アナリストとして活動しています。



――Waymyriad時代から考えると、かなり長い間アナリストとして活動されていると思います。活動をはじめたきっかけをお伺いしたいです。

sigluss:元々自分はプレイヤーをできるほどのスキルはなくて。それでもEsportsというものに何かしらの形で携わりたいと思っていたところに、Twitterでアマチュアチームのアナリスト募集の投稿を見つけ、やってみたいと思ったのがきっかけですね。



――今でこそアナリストの活動は徐々に主流になってきてはいますが、1年前となるとその手法もまだまだ確立されていなかったのではないかと思います。これは独学で学ばれたのですか?

sigluss:基本的には独学が全てです。当時海外だとPUBGが競技シーンとして確立されていたので、海外のアナリストの方に英語で直接DMを送ったりしていました。


「何だこいつは!?」って言われながらも、理由を説明して話をさせていただいたり(笑)。


あとは当時でも、調べてみると実は色んなやり方があったりはしていました。


ただ当初からアナリストの活動がうまくできていたわけではなく、チームにとってどんな資料を作ればよいか?何を研究したら良いか?という部分がやっと今わかってきましたね。当時は本当に雲を掴むような感覚でやっていました。



――バトルロワイヤルという共通項はあるものの、最初は別ゲームのアナリストを参考にしていたのですね。

sigluss:そうですね。基本的にはPUBGの競技シーンを見て勉強していました。



Apexアナリスト・コーチの仕事とは?

――Apexの競技シーンを見られる方は増えたと思いますが、アナリストの方が具体的にどのような活動をされているのか知らないファンも多いと思います。Apexアナリストはどのような仕事をするのでしょうか?

sigluss:アナリストにはデータコレクターと分析家という2つの側面があると思っています。


データコレクターとしては、僕が実際に集めているデータを例に出すと、「他のチームがランドマークを出る時間帯」「どういったルートを通って移動しているか」「ある安置のときに、どのチームがどこのチョークを抑えているか」等です。

こういったデータを調べるのがアナリストの1つの側面です。

※チョーク:通りづらい道のこと。


次に分析家ですね。僕自身、バトルロワイヤルでは平均値を高い水準で出し続けることが成果に繋がると思っています。

そのため、20チームのうち平均値を5位におけるような試合の組み立て方に関する資料をおろしたりします。

また、チームに沿ったデータの分析を行い、「〇〇な場面では□□が良いのではないか?」といった提案を行っていきます。


この2つの側面を持っているのが、Apexにおけるアナリストだと考えています。



――なるほど、そういったデータを用いて、チームの具体的なムーブに落とし込んでいるのでしょうか?

sigluss:ムーブに落とし込むというよりは、彼らが元々やりたいムーブの解像度を上げていく感じです。

そのムーブのディティールだったり、ニュアンスを詰めていくのが僕の仕事だと思っています。



――キルムーブがしたいとなれば、ではどうするか?を提案するのですね。

sigluss:そうですね。



――Apexは安置などの外的要因が多いため、他のFPSタイトルに比べて敵チームの動きに関する分析が難しいのではないかと考えます。この点はいかがでしょうか?

sigluss:僕はどんな人でも100%の分析はできないと思っていて。なのである程度の傾向がある、までで留めることしか現状はできないと思っています。 ただその傾向を掴んでおくだけでも良い点はあります。


相手の傾向と自分たちの位置を照らし合わせて予測し、日々のスクリムで確認することによって、80%、90%といった精度の高い分析ができるようになると思っています。


――Twitterにスクリムでの安置データを投稿されていたと思いますが、あれは大会を見つつ手動で入力されているのでしょうか?かなり大変な作業になりそうです。

sigluss:ほぼほぼ手動でやっています。大会の視聴は2つのPCを使って12窓で見ていますね。やっぱり1つの資料を作るのにも、多くのデータがあったほうが良いので。



――siglussさんはJUPITERの頃からコーチも担当していると思いますが、アナリストとコーチの違いはなんでしょうか?

sigluss:アナリストは先程もお話したとおり、戦術に関する提案だったり、彼らが戦術を理解する補助のようなものだと思っています。


コーチに関しては、彼らのコミュニケーション面や試合での動き方をチューニングするような感じです。

特にオンライン上のコミュニケーションは、感情を乗せてしまうとそこに齟齬だったり考え方の乖離が起こったりします。


そこに第三者目線として、自分が今まで培ってきた競技シーンの考えを話しています。ここに関してはデータではなく、感覚値で、コミュニケーションレベルの問題を調整しています。



――ありがとうございます。siglussさんはコーチとして、試合中どのような点に注目していますか?

sigluss:スクリムと試合で注目している点は異なりますね。

まずスクリムですが、今したいことに対して味方が100%理解できているかどうかという部分に目を光らせています。スクリムはあくまで試す場なので。


マクロの部分といえば大層ですが、IGLがやりたい動きを100%実行できているかどうかを重視しています。


逆に試合の部分で言えば、高い平均値を出すことが重要なので、それぞれの選手のパフォーマンスをどのようにして落とさないか?という部分に注目しています。



――なるほど、そこで注目した点を踏まえて、試合と試合の合間には選手にどのようなフィードバックを送っていますか?

sigluss:まず最初に自分たちの中で良かった部分を褒めるようにしています。良い経験を試合の中でも積んでほしいので、フィードバックはポジティブな発言から始めるようにしています。


もう一つは試合全体の傾向ですね。1マッチ目・2マッチ目の傾向を3マッチ目くらいで伝え、そこから自分達がしやすいムーブに対してチューニングするような作戦会議をしています。


こういう安置のときに詰まっていたらから、次はこのような入り方が良いのではないか?といった具合ですね。



――お話を伺っていると、コーチは選手のメンタル管理も行っているように思えます。

sigluss:おっしゃるとおりですね。オンライン上で1人でプレイしながら、自身でメンタル管理で行うのは非常に難しいと思っています。


実際、僕も団体競技をずっとやってきていて、仲間が目の前にいる安心感は何者にも代えがたいと思っているので。



――現在のApex競技シーンには、アナリストがいないチームもいると思います。siglussさんが考える、アナリストがいるチーム・いないチームの差とは何でしょうか?

sigluss:ここに関しては、 全体的に見て大きな差は生まれにくいのではないかと思っています。なぜかというと、僕たちのやっている活動はまだまだ未発達な部分があり、こういう研究によって明確に差が出るという理由がつけにくいからですね。


逆に言えば差が生まれるような研究や資料を作れば今の競技シーンにおいては絶大的な効果を発する時もあると思いますし、他のコーチ・アナリストの方も悩みながら日々活動しています。ただ試合中にピンポイントで差がつくことは往々にしてあるのかなとも思っています。



――ありがとうございます。普段、siglussさんはアナリスト兼コーチとしてどのように活動していますか?

sigluss:毎日21時から24時、それと月曜と土曜以外は18時から20時にもスクリムを行っています。


それ以外の時間でいうと、NAやEMEAの大会を見たりしています。1日1時間以上は必ず、自分たちの地域を含めた大会を見てデータを集めています。

FC Destroyはどんなチーム?

――FC Destroyは最近新設されたチームでありながら、破竹の勢いでプロリーグ進出を果たしたチームだと思います。FC Destroyはどんなチームでしょうか?

sigluss:やはり爆発力はどのチームよりもあると思っていますね。



――そうですよね。プロリーグSPLIT1 Week3までのチームキル数も1位でした。

sigluss:彼ら自身もキルをしていきたいという要望があって、その宣言どおりですね。Challenger Circuitから考えると通算300キル以上はしているのではないでしょうか。


最近新設されたチームながら、キルムーブをしたいという思いに対して真摯に向き合っているのかなと思います。


――ありがとうございます。siglussさんが思う今のチームの課題などはありますか?

sigluss:やはりコミュニケーションの部分はまだまだ競技的ではないというか、はっきり言ってまだ若いかなと思っています。



――現在FC Destroyに所属している3名の選手それぞれについて、簡単に紹介していただけますか?

sigluss:FC Destroyのキャプテンであり、IGLのハンマードリルは競技シーンに参入して約3ヶ月の選手です。


ALGS Championshipsが終わってからの3ヶ月間でオーダーを勉強し、今はオーダーを担当しています。


彼は現在、主に火力面で注目されていると思いますが、非常に賢い選手でもあります。火力とオーダーを兼ね備えた、非常にユーティリティなプレイヤーですね。



次に床ペロデターですが、彼は元々競技シーンに携わっていたので、競技シーンに対する知見が深い選手になります。チームにとって別の視点をもたらしてくれるような、いい風を吹かしてくれるプレイヤーです。


また、スクリムでミスって初動で死んでしまったときは、すぐにカジュアルに潜って爪痕をとってくるくらい力のあるプレイヤーでもあります。



最後のReyzyに関しては、緊張しやすく内向的な面もあるのですが、そこがうまく2人の緩衝材になってくれていると思います。


ただ彼自身、キーマウ&PAD両方でプレデターを達成している選手なので、彼自身も十分な実力があります。どちらのデバイスもユーティリティに使える、スーパーサブのような存在です、



――現在開催中のALGS SPLIT1 Pro Leagueに関して、Week3まで戦ってみての感想はいかがですか?

sigluss:僕たちの狙いであるキルムーブというのが、どのグループに刺さってどのグループに刺さらないというのがはっきりと見えてきたかなと思います。


ここははっきり言わせていただくのですが、僕たちは今のキルムーブだったり、円外ムーブというのは基本的に変えないですね。


なので僕たちがどういう風にキルムーブを調整していくのか、今の課題を解決していくのかという部分には期待していただけたらと思います。



――残り3週が楽しみですね。 ALGS SPLIT1 Pro Leagueで、意識しているチームはいますか?

sigluss:チーム全体で意識しているのはBAKAGAKIですね。僕が尊敬している方がコーチについていたりとか、選手同士の仲が良かったり、またChallenger Circuitから一緒に上がってきたということもあり、ライバル視しています。



――最後に、これからの意気込みを聞かせてください。

sigluss:僕たちはPlayoffs出場を目標に活動をしています。Playoffsに食い込むチームとして然るべく、キルムーブを完成させていくので、そこは楽しみにしていただけたらと思います。

――ありがとうございました!



sigluss選手

Twitter:@sigluss
Twitch:sigluss_


FC Destroy

Twitter:@FC_Destroy_

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